こんにちは。
ニコンZfを持って薔薇を撮影してきました。
今回の撮影では、最近話題の 「Nikon Imaging Cloud(ニコン イメージング クラウド)」 を使って、ちょっと特別な色合いを楽しめる「イメージングレシピ」に初挑戦してみました。
2025年の春にリリースされたZfのファームウェアVer.2.0では、待望の「Nikon Imaging Cloud」対応が実現しました。これにより、クラウド上から写真家やニコンが提供する「イメージングレシピ」を直接カメラに転送して使えるようになったんです。
Wi-Fi経由でカメラとクラウドがつながることで、PCを使わずに新しいレシピをサクッとカメラに取り込めるのは本当に便利。レシピが随時追加されるので、撮影スタイルや季節に合わせた色表現を手軽に楽しめるようになりました。
ファームウェア2.0の内容(https://downloadcenter.nikonimglib.com/ja/download/fw/552.html)
イメージングレシピって?
イメージングレシピは、プロのフォトグラファーやニコンの開発チームが作成した、色味やトーン、雰囲気の設定をまとめた「撮って出し」用のカラープリセットです。
Zfなど対応機種では、Nikon Imaging Cloudを通じてこのレシピをカメラに直接転送できるので、PCを使わなくてもカメラ内で気軽に設定を変えられるのが魅力。
撮影に使用したのは、フォトグラファー Peng Mango 氏が手がけたレシピ「Vitality Film」。
このレシピは、鮮やかな色合いと懐かしさを感じるフィルムライクな質感が特徴で、花や自然、日常のスナップにぴったりだと感じました。コントラストはやや柔らかめで、全体にほんのりウォームトーンが加わっており、光が優しくにじむような描写になります。
薔薇の瑞々しさや空気感をうまく引き出してくれて、「見たまま+少し美しく」というバランスが絶妙。撮ってすぐに「この雰囲気いいな」と感じる仕上がりでした。
Vitality Filmで薔薇を撮影
地元の公園で薔薇が満開になっていました。
イメージングレシピの「Vitality Film」を使って撮影した薔薇の写真をご紹介します。
撮って出しのJPEGでも驚くほど完成度が高く、編集いらずでSNSやブログにすぐ使える写真がたくさん撮れました。
朝の薔薇園は人も少なく、満開の薔薇を自由に撮影できました。
あいにくの曇りでしたが、直射日光がない分、光が均一にまわるため、Vitality Filmの淡く温かみのあるトーンが自然と馴染み、しっとりとした空気感がより際立ちました。
薔薇の撮影というと、ついビビッドな色設定で彩度高めにしてしまいがちですが、このレシピではあえて色を少し抑え、柔らかなトーンと控えめな彩度で花の質感や空気感を丁寧に描写してくれます。
派手すぎず、でもしっかり印象に残る、そんな絶妙なバランスがとても心地よく感じられました。
今回の撮影で使用したレンズは、カールツァイスの銘玉 Makro Planar T 2/50 ZF.2*。
Fマウントのレンズのため マウントアダプターを付けて撮影しています。
このレンズは開放からシャープでありながら、背景はとろけるように美しくボケてくれるレンズで、マクロレンズならではの繊細な解像力と立体感があります。
マニュアルフォーカスのため撮影のテンポはゆっくりになりますが、薔薇をじっくり丁寧に撮影するのはスマホにはない一眼カメラ特有の撮影の楽しさとも言えます。
撮影して気づいたのはニコンZfの高い色再現性。
ニコンの色はいわゆる「記録色」と言われていますが、色乗りが良いと言われているMakro Planarの豊かな階調と、ニコンZfの色が重なったことで、目で見た色を忠実に再現しつつ深みをもった品のある色味となりました。
せっかくのマクロプラナーということで、花びらに寄ったマクロ撮影も行いました。
マクロ撮影は三脚を使用することが多いですが、マクロプラナーはハーフマクロレンズであるうえに、
Zfの強力な手振れ補正機構が効くため、三脚なしでも気軽にマクロ撮影を楽しめます。
この日は前日に雨が降っていたため花弁に水滴がついていました。
ファームウェア2.0で追加された拡大表示倍率が400%まで可能になったことで、水滴にも精密なピント合わせができました。
久しぶりにマクロプラナーを使いましたが、柔らかなボケ感と花の繊細な質感描写はたまりません。
撮影を終えて
今回初めてイメージングレシピを使ってみました。
気軽に使える機能ですが、レシピは有名フォトグラファーが作成しているのもあり、出てくる写真の色味は素晴らしいものがあります。
私は富士フイルムのカメラも使っていますが、フィルムシミュレーションと比べても、今回使用したVitality Filmの色味は十分満足できる仕上がりでした。
夢にまで見た「富士フイルムの色味を、ニコンのカメラとレンズで再現する」ことがイメージングレシピによって可能になったといえます。
ニコンが公開しているクリエイターズカラーグレーディングは現時点で78件公開されています。
今回使ったレシピの完成度が高かったため、まだ78件もあるのか・・・とも思いましたが、ゆっくりと楽しんでいきたいと思います。
Nikon Imaging Cloudに対応したカメラを持っている方はぜひ使ってみてください。
それでは。