こんにちは。
富士フイルムが誇るフィルムシミュレーションのACROS(アクロス)。
高品質なモノクロ写真として好評だったフィルムのアクロスを富士フイルムが苦労してデジタル化した自慢のフィルムシミュレーションです。
以前、当ブログでもそのおすすめな使い方を紹介しています。
その時にご紹介した富士フイルムが推奨している使い方は
・グレインエフェクトは使用しない
・ISOは800以上
上記の設定を紹介しました。
フィルムの粒状感を出すには高感度ノイズの方がフィルムに近いとのことですが、高感度ノイズとグレインエフェクトの粒状感がどう違うのかを確認したことが無かったので今回検証してみました。
グレインエフェクトについて
まずはグレインエフェクトとはなんぞや?というところから確認します。
富士フイルムのホームページにグレインエフェクトの説明がありました。
「画像にザラっとした粒状の質感を加えます」この一文のみ記載されていました。
https://fujifilm-dsc.com/ja/manual/x100f/menu_shooting/grain_effect/index.html
粒状とはなんぞや?という疑問が出てきますが、これは説明が難しいです。
ネットの辞典では以下のような文章が記載されていました。
フィルムの粒子の細かさや配列の規則性を感覚的にいう場合に使う写真用語。粒状性がいいという場合には、粒子が細かく、しかも粒子の配列が規則的であるという意味である。
(引用:https://kotobank.jp/word/%E7%B2%92%E7%8A%B6%E6%80%A7-658767)
僕の頭では理解できませんが、フィルム写真は拡大してみると粒々していてそれを粒状と呼んでいるみたいです。
グレインエフェクトの粒状は強さと粒の大きさを選択できます。
・強度:弱、強
・粒度:小、大
デジカメwatchの富士フイルムのとある対談でグレインエフェクトについて語られていますが、粒状のテクスチャを写真に貼るような処理をしているが、ノイズ自体はランダムかつ自然に見えるように配置させることにかなり気を使ったとのことです。
この対談は富士フイルムのフィルムシミュレーションに対する考え方が詳しく述べられているので、富士フイルムユーザーは楽しめると思うので見たことない人は見てみてください。
(HP:https://dc.watch.impress.co.jp/docs/interview/1291049.html)
綺麗すぎる写真は味気が無いと感じることもあるので、フィルム風な写真を目指す際に粒状感を追加したいときに使う機能がグレインエフェクトのようです。
高感度ノイズとグレインエフェクトの違い(アクロス使用時)
グレインエフェクトは粒状感を追加する機能ですが、アクロス(ACROS)を使う時は高感度ノイズを使うことを富士フイルムがオススメしています。
その理由は、グレインエフェクトは画面全体に粒状を追加しますが、フィルムではハイライトに粒状が出ないので違和感が出てくるからとのこと。
そういう意味ではフィルムの粒状感と高感度ノイズは似ているので、フィルムの粒状を求める人は高感度での使用を推奨しているというわけです。
ではグレインエフェクトと高感度ノイズではどのくらい違いがあるのか。検証してみました。
グレインエフェクトの弱と強と各ISOを比較してみました。
グレインエフェクトの粒状感と似たようなISOは
・弱=ISO3200
・強=ISO6400~12800
僕が見た感じでは上のような結果でした。
前述の通り、グレインエフェクトにはハイライト側にもノイズが乗っています。
ISO3200のハイライト側のノイズとグレインエフェクト弱のノイズより少ないように見えます。
同じISO3200にグレインエフェクトを使ったサンプルが上の写真です。
ハイライト側にノイズが追加されているのがわかると思います。
こうしてみるとISO3200でも結構きれいに見えますね。
ちなみに各ISOを拡大して並べてみたのが以下の画像です。
高感度になればなるほどノイズが目立ちますが、ハイライト側のノイズはそれほど変わりません。
グレインエフェクト弱のハイライト側のノイズは僕が見た感じではISO12800で同じくらいかなと思いました。
また、ISO640はかなりツルツルなのがわかると思います。
ISO1600でもあまり気になりませんが、ISO3200くらいからノイズが気になるかと思います。
ノイズが気になるくらいがグレインエフェクト弱と同じくらいだと思うと、富士フイルムの考えが共有できたようで不思議な気持ちになりますね。
アクロスはISO3200~6400くらいの間で使おう
アクロスは富士フイルムも特別に思っている自慢のフィルムシミュレーションです。
出来ればその機能を最大限引き出してあげるのが撮影者の使命と考えます。
グレインエフェクトは良い感じの機能だと思いますが、高感度ノイズとの違いを把握することでより効果的に使うことが出来ると思います。
富士フイルムのカメラを使ってかれこれ2~3年くらい経ちますが、まだこんなことも把握してなかったのかと恥ずかしい想いですが、何かの役に立てば幸いです。
それでは。